
「集合研修のたびにシフト調整が大変」「遠方の職員は参加できない」——そんな悩みから、オンライン研修への切り替えを検討する介護施設が増えています。一方で「本当に対面と同じ効果があるのか」「何から始めればいいのか」と迷う担当者も少なくありません。
本記事では、介護施設のオンライン研修について、メリット・デメリット、対面研修との使い分け、導入の4ステップ、ZOOMなどツールの選び方、受講率を上げるコツまでを整理しました。読み終える頃には、自施設でどう組み立てるかが描けます。
- 1. 介護施設でオンライン研修が広がる背景
- 1.1. 介護現場の課題解決をサポートします
- 2. オンライン研修のメリット・デメリット
- 2.1. メリット
- 2.2. デメリット
- 3. 対面研修との使い分け方(ハイブリッド設計)
- 4. 導入手順|4ステップ
- 4.1. 介護現場の課題解決をサポートします
- 5. ツール選定のポイント|ZOOMとeラーニングシステム
- 5.1. 選定時に確認したい4つのポイント
- 6. 受講率を上げる5つのコツ
- 7. よくある質問(FAQ)
- 7.1. 介護現場の課題解決をサポートします
- 8. まとめ
- 9. あわせて読みたい
- 10. 著者・監修
- 10.1. 介護現場の課題解決をサポートします
介護施設でオンライン研修が広がる背景
介護現場は交代勤務・人手不足が常態化しており、全職員を同じ日時に集められる集合研修の実施自体が難しくなっています。オンライン研修は、この「時間と場所の制約」を緩和する手段として広がっています。
主な追い風は3つです。
- 人手不足・シフトの制約:夜勤明けや訪問業務中の職員も、空いた時間に受講できる。
- 法定研修・加算要件への対応:感染症対策やハラスメント防止など、毎年度実施が求められる研修を効率的に回せる。
- 動画・eラーニングの普及:スマートフォンで視聴できる動画教材や、受講記録を自動で管理できるシステムが増えた。
ただし、法定研修の実施範囲や実施方法の扱いは制度改定があるため、対象研修や実施要件は必ず最新の公的情報・所属する自治体や法人の規程で確認してください。

介護現場の課題解決をサポートします
職員定着、人間関係、チームづくり、数字管理。
施設ごとに課題は異なります。
まずは現状をお聞かせください。
オンライン研修のメリット・デメリット
導入前に、対面研修と比較した特徴を押さえておきましょう。
| 項目 | オンライン研修 | 対面研修 |
|---|---|---|
| 参加のしやすさ | シフトに合わせて個別受講可能 | 日時を合わせる必要がある |
| コスト | 会場費・交通費が不要 | 会場費・移動時間がかかる |
| 実技習得 | 移乗・排泄介助など体で覚える技術は不向き | 講師が直接手を添えて指導できる |
| 一体感・質疑応答 | その場の空気感や細かい質問がしにくい | その場で疑問を解消しやすい |
| 受講記録の管理 | システムで自動集計しやすい | 出席簿など手作業になりがち |
メリット
オンライン研修のメリットは、①職員の移動負担がなくなる、②繰り返し視聴できるため復習に使える、③受講状況をシステムで可視化しやすい、の3点に集約されます。
デメリット
一方でデメリットは、①介助技術など実技を伴う研修には不向き、②画面越しでは集中力が続きにくい、③通信環境やITリテラシーに差がある職員への配慮が必要、という点です。
つまりオンライン研修は「知識のインプット」には強く、「体で覚える実技」には弱いという特性があります。次章で、この特性を踏まえた使い分けを解説します。

対面研修との使い分け方(ハイブリッド設計)
すべての研修をオンライン化する必要はありません。研修内容に応じて対面と組み合わせる「ハイブリッド設計」が現実的です。
- オンラインが向く研修:制度・法令の解説、認知症の基礎知識、接遇マナー、事例共有、感染症対策の座学部分など「知識の理解」が中心のもの。
- 対面が向く研修:移乗介助・排泄介助・食事介助などの実技、初めて扱う機器の操作、チームビルディングのようにその場の関係性づくりが目的のもの。
- 併用が向く研修:座学はオンラインで事前学習し、当日は実技演習に時間を使う「反転学習」型。移動・拘束時間を減らしながら、実技の質は落とさない設計ができる。
現場でよくあるのは、「まず座学をオンライン化し、実技は対面のまま残す」という段階的な移行です。いきなり全面オンライン化を目指すより、失敗が少ない進め方です。

導入手順|4ステップ
- 目的と対象研修を決める:法定研修か、任意の育成研修か。誰向け(新人・中堅・管理者)かを明確にする。
- ツールを選定する:後述のZOOM・eラーニングシステムから、目的と予算に合うものを選ぶ。
- 運用ルールを整える:受講期限、未受講者への催促方法、受講記録の保存方法をあらかじめ決めておく。
- 小さく始めて広げる:まず1テーマ・1部署で試行し、受講率や理解度を確認してから全体展開する。
ポイントは「4. 小さく始める」順番です。最初から全職員・全研修をオンライン化しようとすると、システムの使い方につまずく職員のフォローが追いつかず、形骸化しやすくなります。

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ツール選定のポイント|ZOOMとeラーニングシステム
介護施設でよく使われるオンライン研修の形式は、大きく2つに分かれます。
| 形式 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ZOOMなどのライブ配信 | 講師とリアルタイムで質疑応答できる | 事例共有会、管理者研修、双方向のディスカッション |
| eラーニング(オンデマンド動画) | 好きな時間に視聴・繰り返し受講できる | 法定研修、新人向けの基礎知識、認知症介護基礎研修など |
選定時に確認したい4つのポイント
- 受講記録・修了証の自動発行:監査対応や加算要件のために、誰がいつ受講したかを一覧で出力できるか。
- スマホ対応:職員のITリテラシーに差があるため、スマートフォンから迷わず視聴できるか。
- コンテンツの更新頻度:法定研修は制度改定に合わせて内容が変わるため、教材が定期的に更新されるか。
- 費用体系:職員数に応じた月額制か、研修ごとの都度課金か。無料の自治体提供講座と組み合わせられるかも確認する。
ZOOMは「双方向のやり取りが必要な研修」、eラーニングは「繰り返し学ぶ知識系の研修」と、目的で使い分けるのが基本です。両方を契約し、研修内容ごとに使い分けている施設もあります。

受講率を上げる5つのコツ
システムを導入しても、受講率が上がらなければ意味がありません。現場で効果が出やすい工夫を紹介します。
- 受講期限と担当者を明確にする:「いつまでに」「誰が確認するか」を決めないと後回しにされやすい。
- 1本あたりの動画を短くする:15〜20分程度に区切ると、休憩時間や移動時間にも視聴しやすい。
- 受講状況を可視化して共有する:部署別の受講率をリーダー会議で共有すると、未受講者へのフォローが自然に生まれる。
- 受講後に一言アウトプットさせる:感想や気づきを一言メモに残してもらうと、視聴だけで終わらせない。
- 管理者自身が率先して受講する:管理者が後回しにしていると、職員にも「後でいい」空気が伝わってしまう。
受講率は「見られているかどうか」で大きく変わります。可視化とフォローをセットにすることが、形骸化を防ぐ欠かせないコツです。
(例)ある特別養護老人ホームの取り組み
課題:法定研修をeラーニング化したものの、受講期限を過ぎても未受講の職員が多く、監査前に慌てて対応する状態が続いていた。
施策:部署別の受講率を毎週のリーダー会議で共有し、動画を1本15分以内に再編集。管理者が最初に受講し、感想を朝礼で共有するようにした。
結果:未受講者への声かけが自然に発生するようになり、期限内受講率が改善した。
※上記は一般的な傾向をもとにした例です。

よくある質問(FAQ)
Q. 介護施設向けのオンライン研修サービスはありますか?
A. あります。ライブ配信型のセミナー、録画済みの動画を視聴するeラーニング型など複数の形式があり、法定研修に対応したサービスも増えています。自施設の対象研修と予算に合わせて選ぶことが大切です。
Q. オンライン研修は無料で受けられますか?
A. 自治体や関連団体が提供する無料のオンラインセミナー・eラーニングもありますが、対象研修や年度によって内容・費用は変わります。最新の情報は各自治体・提供元の公式案内で必ず確認してください。
Q. ZOOM研修とeラーニングはどちらを選べばいいですか?
A. 質疑応答や事例共有など双方向のやり取りが必要な研修はZOOMなどのライブ配信、法定研修や基礎知識のように繰り返し学びたい研修はeラーニングが向いています。両方を目的別に使い分ける施設も多くあります。
Q. 実技を伴う研修もオンラインでできますか?
A. 移乗介助や排泄介助など体で覚える技術は、オンラインだけでの習得は難しい部分があります。座学はオンラインで事前学習し、実技は対面で確認する「反転学習」型の併用がおすすめです。
Q. オンライン研修は法定研修としてそのまま使えますか?
A. 研修の種類によって扱いが異なり、制度は改定されることがあります。対象研修・実施方法の要件は、必ず最新の公的情報と所属する法人・自治体の規程を確認したうえで判断してください。

介護現場の課題解決をサポートします
職員定着、人間関係、チームづくり、数字管理。
施設ごとに課題は異なります。
まずは現状をお聞かせください。
まとめ
介護施設のオンライン研修は、「知識のインプットはオンライン、実技は対面」という使い分けを軸に、小さく試してから広げるのが失敗しない進め方です。ツールはZOOMとeラーニングを目的で使い分け、受講率は可視化とフォローをセットにすることで維持できます。
今日からできる一歩は、まず1つの研修テーマを選び、「オンライン化できるか・実技を含むか」を仕分けしてみることです。
研修の内製化や外部サービスの選び方も含めて相談したいときは、「介護のYOHAKU」の個別相談もご活用いただけます。
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著者・監修
執筆:介護のYOHAKU編集部(介護施設向け研修・人材育成支援)
運営者「介護のYOHAKU」が提供する支援サービス
- ZOOMを活用した介護現場向けの研修・個別相談(研修設計・人材育成)
- オンライン研修の導入・運用に関する相談対応
本記事は一般的な導入の考え方を整理したものです。法定研修の対象範囲・実施方法などの制度に関する判断は、関連法令・所属する自治体や法人の規程、必要に応じて専門家への確認を行ってください。

介護現場の課題解決をサポートします
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施設ごとに課題は異なります。
まずは現状をお聞かせください。

