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新人がすぐ辞める、中途採用者が3か月と持たない——そんな状況が続くと、採用コストばかりかさみます。定着率が下がる背景には、給与だけでは説明できない「人間関係」と「フォロー不足」が潜んでいます。定着率の計算方法から離職の主因、施設長・管理者が今日から着手できる改善策まで整理します。

介護職員の定着率とは?計算方法と業界の目安

定着率とは、一定期間の始めに在籍していた職員のうち、期間終了時点でも働き続けている割合を指します。計算式はシンプルです。

定着率(%)=(期首在籍数-期間内の離職者数)÷ 期首在籍数 × 100

たとえば年度初めに30名在籍し、1年間で3名が離職した場合、定着率は90%です。逆に7名が離職すれば約77%まで落ち込みます。

公益財団法人介護労働安定センターの調査では、介護職の離職率は近年おおむね12〜13%台で推移し、緩やかな低下傾向にあるとされています。年度により数値は変動するため、最新値は同センターの公表資料でご確認ください。自施設の定着率がこの水準を大きく下回っている場合は、離職の要因を分解して見る必要があります。

注目したいのは「入職1年未満」の離職が全体の中で大きな割合を占める点です。採用してすぐ辞められると、育成コストも採用コストも回収できないまま次の採用に追われます。定着率を上げる取り組みは、まず新人の早期離職を防ぐことから始めるのが近道です。

職員定着、人間関係、チームづくり、数字管理。

施設ごとに課題は異なります。

まずは現状をお聞かせください。

介護職員が辞める本当の理由|離職の主因4つ

離職の理由は「給与が低いから」だけではありません。現場のヒアリングや各種調査から見えてくる主因は、次の4つに整理できます。

①人間関係のこじれ 先輩職員との相性、指導の厳しさ、職場の空気の重さなど、日々のコミュニケーションに起因する不満は離職理由の上位に挙がります。特定の職員に業務や不満が集中する構造も要注意です。

②新人・中途職員へのフォロー不足 オリエンテーションが手薄で、疑問や不安を相談できる相手がいないまま現場に配属されると、孤立感から早期離職につながります。「聞きたいけれど誰に聞けばいいかわからない」状態が最大のリスクです。

③評価・キャリアパスの不透明さ 何をどう頑張れば評価され、この先どう成長できるのかが見えないと、モチベーションを維持しづらくなります。日々の業務に追われるほど、この不透明さが離職の引き金になりやすい傾向があります。

④業務負担と人員配置のミスマッチ 人手不足の職場ほど一人あたりの負担が増え、疲弊が離職を呼び、離職がさらなる人手不足を招く悪循環に陥りがちです。新たな人員確保にもコストがかかるため、育成やフォローに割ける時間はさらに減っていきます。

これらは単独ではなく、複合的に絡み合って「なんとなく辞めたい」という気持ちを育てます。だからこそ、給与改定だけでなく、人間関係とフォロー体制の両面から手を打つことが欠かせません。

定着率を上げるために着手すべき5つの改善策

離職の主因が見えたら、次は具体策です。以下の5つは、規模の大小を問わず着手しやすい施策です。

①採用・配属前のミスマッチをなくすオンボーディング

配属初日に業務マニュアルと相談窓口を伝えるだけでも、孤立感は大きく減らせます。入職から3か月間はチェックリストで習得状況を可視化し、できたこと・次の目標を本人と共有しましょう。

②新人・中途職員向けの個別面談で早期の異変をキャッチ

月1回、業務評価とは切り離した「困りごとを聞く面談」を設けると、不満が積み重なる前に把握できます。対面での日程調整が難しい施設では、ZOOMなどオンライン面談を使えば、シフトの合間に短時間で実施できます。忙しい現場ほど、この仕組み化が定着率に直結します。

③チームビルディング研修で「話しやすい職場」をつくる

人間関係の不満は、個人の資質よりも「関係を築く機会がない」ことが原因のケースが多く見られます。部署をまたいだ対話の場を意図的に設けるチームビルディング研修は、新人・中途職員の早期定着と、既存職員同士の連携強化の両方に効果が見込めます。

④評価制度とキャリアパスの見える化

評価項目とキャリアの到達点を目に見える形で示すと、努力の方向性が定まります。目標は「頑張る」ではなく、数値と期限で示すのが有効です。

目標例対応する指標(KPI)
新人の早期離職を減らす入職1年未満の離職率を◯%→◯%に低減(期限:半年)
相談しやすい職場にする個別面談の実施率100%(月1回・全職員対象)
チーム連携を強化するチームビルディング研修の年間実施回数・参加率

⑤管理者・リーダーのマネジメント力強化

現場のマネジメントを担う主任・ユニットリーダーの育成不足も、定着率が伸び悩む一因です。数字の管理と対人マネジメントの両方を学べる研修機会を、管理者自身にも用意しておきましょう。

介護スタッフガッツポーズ

定着率向上を仕組みにする体制づくり

改善策は単発で終わらせず、PDCAとして回すことが重要です。四半期ごとに定着率と離職理由を集計し、面談やチームビルディング研修の実施状況とあわせて振り返ります。「感覚」ではなく「数字」で語れる状態にしておくと、経営層への報告や次年度の予算確保もスムーズになります。

  • 月次:個別面談の実施率、相談内容の傾向
  • 四半期:部署別の定着率、離職理由の分類
  • 半期:チームビルディング研修の効果測定(職員アンケート等)

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施設ごとに課題は異なります。

まずは現状をお聞かせください。

定着率が改善した施設の取り組み例

(例)入職1年未満の離職が続いていたある施設では、新人向けの個別面談を月1回に固定し、あわせて部署横断のチームビルディング研修を導入しました。半年後、面談で早期に拾えた「指導方法への戸惑い」を先輩職員の研修内容に反映した結果、新人の早期離職が目に見えて減少したといいます。数値は施設ごとに異なるため、自施設で計測しながら効果を検証することをおすすめします。

男女の介護士のイラスト

よくある質問(FAQ)

Q. 介護職員の定着率は?

A. 介護労働安定センターの調査によれば、介護職の離職率はここ数年12〜13%台で推移しています。この離職率から逆算すると、定着率はおおむね87〜88%前後が目安になります。ただし施設形態や地域、雇用形態によって差があるため、自施設の数値と単純比較する際は注意が必要です。

Q. 定着率が低いと何が問題ですか?

A. 採用・育成コストがかさむだけでなく、残った職員の業務負担が増え、さらなる離職を招く悪循環に陥りやすくなります。利用者へのケアの質にも影響しかねません。

Q. 定着率を上げるのに一番効果があるのはどれですか?

A. 単一の施策で解決するケースは多くありません。個別面談で不満やSOSを早期に拾いつつ、チームビルディング研修で人間関係の土台をつくる、という両輪での取り組みが現実的です。

Q. 中途職員の定着率を上げるにはどうすればよいですか?

A. 新人と同様にオリエンテーションと個別面談は必須です。加えて、前職とのギャップ(業務フロー・人間関係)を早期にヒアリングし、擦り合わせる場を設けると離職を防ぎやすくなります。

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施設ごとに課題は異なります。

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まとめ

介護職員の定着率を上げるには、給与改定だけに頼らず、①離職の主因(人間関係・フォロー不足・評価の不透明さ・業務負担)を把握し、②個別面談で早期にSOSを拾い、③チームビルディング研修で職場の関係性を底上げする、という組み合わせが現実的です。今日からできる一歩は、来月の個別面談日程を仮でも決めてみることです。仕組みは、動かしながら整えれば十分間に合います。

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著者・監修

執筆:介護のYOHAKU編集部

運営者情報:介護のYOHAKUは、介護施設の施設長・管理者向けにKPI研修・チームビルディング研修・職員個別面談を提供しています。

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